当ブログについて!製造派遣会社の裏側
いきなりですが、今仕事を探していて、
「これといった経歴がなく40代を迎えたけど、転職先はあるの?」
「今まで飲食や介護等、重労働で低収入な仕事ばかりをしてきたから、ライフワークバランスが整って、待遇のいい条件で働きたい!」
「将来の夢に向けて、まずは手っ取り早くお金を貯めたい!」
「新型コロナの影響で解雇にあい、とりあえず何でもいいから仕事がしたい!」
そのように思っている人はいないでしょうか?
そのような方には、製造業をお勧めいたします。
製造業といっても色々な仕事がありますが、基本どの仕事も未経験からでき、仕事のわりに待遇面もよく、また、そこまでキャリアアップ志向が高い人がいないため、少しでも仕事を工夫して頑張れば、他の仕事と比べて比較的簡単にキャリアアップができるという、とても優れた一面をもっています。
筆者も某製造派遣会社の採用担当として、延べ2000人ほどの面接を行ってきましたが、中には年収を100万円以上上げた人がいたり、入社後にどんどん活躍をして、社員登用制度を用いて超大手の企業の社員として活躍をしている人など、見事に転職を成功した人を数多く見てきました。
ただ一方、派遣会社をうまく利用できずに、満足な仕事を紹介してもらえないという人がいるということも事実です。
そこに生まれる差は何でしょうか?
それは、
「いかに派遣会社の仕組みを理解し、利用できるかどうかの違い」
といえるでしょう。
そこで当ブログでは、これから製造業への転職を視野に入れている人向けに、製造派遣のプロの視点から、転職を成功させるための方法をお伝えしていきます。
製造派遣業界の内情もざっくばらんにお伝えしたうえで、本音ベースでどんどんと転職を成功さるためのノウハウを伝授していきますので、是非ともお願いいたします!
1.自己紹介
まずは簡単な自己紹介からしていきます。
筆者は現在、某大手人材派遣会社にて勤務をしており、主に製造・建設技術者の採用業務を行っております。
多い時では1日15人ほどの求職者と面談を行い、求職者それぞれのキャリアについて相談に乗り、より最適な案件の提案を行っております。
①仕事内容
1日のうち、大半は求職者の面談を行っております。
しかし、面談だけで就業先を紹介できることはごくまれなことで、大抵は希望条件を会社のデータベースに登録をし、希望の案件が立ち上がり次第連絡をするという形となります。
そのため、求職者との面談の間を縫って、登録者への案件の連絡を行います。
また、登録者を企業へ紹介した後も、途中で辞退するということは日常茶飯事のため、そうならないためのフォローアップの連絡も日々行っております。
②裏側
ここまでの説明だけ聞くと、
「求職者のキャリア支援をするいい仕事」
と思われる方もいるかもしれませんが、実際はいいことばかりではありません。
この仕事の主な懸念点としては、
- 採用ノルマがある
- 紹介先企業の優先順位が決まっている
- 求職者への言い訳に骨を折らなくてはならない
といった点が挙げられます。
※これから派遣会社を利用する人も、この点を理解すると、よりうまく派遣会社を利用できるようになるので、しっかりと読むことをお勧めいたします。
1.採用ノルマがある
各面接官には、月に何人採用しなければいけないという、採用ノルマが決められております。
そもそも、人材派遣ビジネスは、派遣社員が顧客企業で働いて稼いだ分の一部を搾取して成り立っており、派遣社員が増えれば増えるほど収益が上がるため、採用数のノルマがあることは当然のことといえるでしょう。
しかし、そのノルマがあるがために発生する問題があります。
それが、
「求職者ファーストではなく、面接官ファーストな面接になってしまう」
ことです。
各面接官はみな厳しいノルマを課せられており、日々上長から数字について詰められております。
そのため、少しでも上長からのお叱りを避けるために、とにかく採用をしようと躍起になります。
その結果、仮に求職者が求めている条件の案件がなくても、とにかく適当な案件に落とし込もうと、必死な説得が生まれてしまうのです。
2.紹介先企業の優先順位がある
派遣会社の登録会に行った際に、
「地元で働きたいのに、やたらと地方の案件を進められる」
という経験をしたことある人はいませんか?
実はこれ、派遣会社ごとに、その時の紹介先企業の優先順位が決まっているからなのです。
派遣会社は、顧客企業に対して、
「●月〇日までに、何名用意すること!」
とオーダーを受けて、それに合わせて採用活動をしております。
この顧客からのオーダーは、大きく分けて
「何社にも声をかけて、合計で○○名」
という場合と、
「特定の会社のみで○○名」
という場合の2種類あり、仮に後者の場合、何が何でも期日までに人を集める必要があります。
そのため、仮に応募者が地元で働きたいと面談で言っても、会社の意向を忠実に守っている面接官であると、
「地元の案件に欠員はあるけど、欠員がないことにして、地方の案件を進めよう」
とか、
「地元の案件は悪い部分ばかり説明して、地方の案件の良さを存分にアピールをして、そっちの案件に行ってもらうようにしよう」
という形になってしまうのです。
3.求職者への言い訳に骨を折らなくてはならない
面談の際の半数以上の仕事が、求職者への言い訳の作業となります。
具体的に言うと、
1.年齢や性別などで希望案件を紹介できないときの言い訳
2.募集が終わっている、もしくは紛らわしい求人広告に対して応募してきてしまった求職者に対する言い訳
の作業となります。
1.性別や性格などで希望案件を紹介できないときの言い訳
現在の法律上、年齢や性別によって、募集に制限をかけることは禁止されております。しかし実際は、顧客からのオーダーは、年齢や性別を指定されております。
50歳を過ぎている男性や、体力や筋力のあまりない女性に対して重労働を課したら、戦力にならないばかりか、怪我でもしてしまい、その人達自身が不幸な結果となってしまうため、この点については筆者も必要なことであると思います。
しかし、そんなこと、求職者の立場から言ったら知ったことではありません。求人広告に、
「未経験でも安心!総支給30万円以上!」
等の文言が記載されていれば、50歳以上の男性や、あまり体力のない女性まで応募してきてしまうのです。
(企業側が本当に書きたい求人内容は、「経験不問!35歳までの体力のある人大募集!」なんですが、、、)
そうなると、面談では、何とかその求人から興味をなくすよう、その求人の悪い部分をそれとなく伝えるという作業に入ります。ここをうまくやらないと、中にはこちらの言葉尻を掴んで、クレームまがいなことを言ってくる求職者もいるので、非常に骨の折れる仕事となってしまうのです。
求職者にとってはもちろんのこと、面接官側としても、早く他の候補者と面談がしたいところ、非常に時間の無駄となってしまうのです、、、
2.募集が終わっている、もしくは紛らわしい求人広告に対して応募してきてしまった求職者に対する言い訳
派遣会社にとって、いかに人を集められるのかがポイントであるということから、一人でも多くの人に面接に来てもらう必要があります。
そのため、多くの派遣会社では、誇大広告に近い求人票を出してしまっているのが現状です。
例えば、工場などない新宿区を募集地域に乗せて、下の方に小さく米印で「面接地の一例です」と記載したり、
「ボタンを押すだけで月収30万円!」※
等と、業務内容をかなり端折った求人広告を載せる等、虚偽ギリギリのラインで人集めを行っているのです。
※マシンオペレーターのことでしょうが、当然、ただボタンを押すだけで30万円をもらえる仕事などありません。
こちらについても、応募者に何とか言い訳をして、別の案件を紹介するという方法にもっていくのですが、一歩間違えればクレームとなってしまい、非常に骨の折れる仕事となります。
2.派遣会社はうまく利用すれば、いい転職を実現できる
ここまで、自己紹介と同時に派遣会社のネガティブな情報ばかりを記載してしまいましたが、うまく利用すれば、転職におけるいいツールとなることは間違いありません。
しっかりと正しい方法で利用すれば、求人票に乗っているいい案件を紹介してもらえるばかりか、本当はもう欠員がないけど、何とか担当者に頼み込んで特別に紹介してもらえるということも実際に発生することもあります。
ただ一方、派遣会社は慈善事業で仕事を紹介しているわけではないので、仕事を紹介した後にしっかりと働いてもらえるか不安な人に対しては、実際に案件はあっても、何も案件を紹介しないということもあります。
「なんだよ、そんなの酷いじゃないか!!」
と思う人もいるかもしれませんが、客先でトラブルを起こされてしまったら、会社として大きな損害となってしまうので、その点は、仕方のないことなのです。
そのような悲しい事態にならないために、当ブログでは、派遣会社をどのように利用すれば、よりいい転職が実現できるのかを、プロ目線からおつたえしていければと思います!
長くなりましたが、今後皆様のお役に立てる情報をどんどん投稿していくので、是非ともよろしくお願いいたします!